時を超えて知った自分の好きな異性
私は小さい頃、テレビの中の人に恋をしたことがある。思えばそれは初恋だったんではないかと思う。
ドラマの中でみせるキラキラした無邪気な笑顔と、ふとした時にみせる哀愁ある眼差しに、当時は気づかなかったけど、恋をしていたんだと思う。本当にまだ小さい子供だったけど。
しかし、その俳優さんは16歳という若さで亡くなってしまった。それを知った時の自分の感情は全く覚えていないけど、私はそれから数十年経った今でも彼を忘れることはなかった。
ツタヤに行った時に、ふとその彼が出ていた、大好きだったドラマを見つけ、胸をドキドキさせながら、それをレンタルしてみてみると、その男の子はこんな声だったなー、こんな話し方だったなー、こんな風に笑ってたなー、と胸がいっぱいになった。
たまに彼のことを検索すると、同じように彼のことを思ってる人のツィートなど見つけて嬉しくなる。
そんな中に、私が今好きな俳優さんの名前が並んでおり、不思議に思って検索してみると、数十年前に亡くなった大好きな俳優さんと、今現在好きな俳優さんの顔が似てると話題になっていた。
その瞬間、雷に打たれたように感じた。
私は全く気づいてなかった。
私、時を超えて、無意識に、似てる俳優さんを好きになってたー。
つまり、小さな子供の頃から、好きなタイプが変わってなかった。
自分の中で、えらく感動してしまった。
自分を持っていないと思っていた自分が、はっきりと自分を持っていたんだと。
それを知り、夫をふと見ると、たしかに、趣味が一貫してるなーと思えた。
